奥の細道「矢立の句」

松尾芭蕉の俳句集「奥の細道」より、旅程と俳句

深川ーー行く春や、鳥啼き魚の、目は涙。

日光ーーあら尊、青葉若葉の、日の光。

白河ーー卯の花を、かざしに関の、晴着かな。

松島ーー松島や、鶴に身をかれ、ほととぎ。

中尊寺ーー夏草や、兵ーつわものーどもが、夢の跡。

立石寺ーりゅうしゃくじー閑かさや、岩にしみ入る、蝉の声。

最上川ーー五月雨を、集めて早し、最上川ーもがみがわー。

越後路ーー荒海や、佐渡に横たう、天の川。

金沢ーーあかあかと、日はつれなくも、秋の風。

大垣ーー蛤ーはまぐりーの、ふたみに別れ、行く秋ぞ。

矢立とは、墨壺に筆を入れる筒の付いたものです。
主に江戸時代に帯に差し込みなどして携帯し、使われてました。
最近リバイバルして、お使いになる人もあるようです。

奥の細道には、

是を矢立の始として、行く道なほすすまず。
懐中より出して、一墨、筆取り出して、便りをする。

とあります。

いかにも風流な夫の遺した矢立を見ながら、
奥の細道の句を詠んでいます。

20120904-173009.jpg

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です