二月の薄茶器

如月(きさらぎ)の語源は木草発月。
木や草の芽の張る月だから。

菫(すみれ)に雲雀(ひばり)の
溜塗(ためぬり)の中棗(ちゅうなつめ)です。

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春の野原や山路に、
うつむき加減に咲いている可憐な菫の花。
天から降り立った雲雀が餌をついばんでいます。

「気更に来る(陽気が更に来る)。」とも言われるように、
温かくなりゆく春の野を表しています。

清少納言の枕草子には、

春は曙、やうやう白くなり行く、山ぎは少しあかりて、
紫だちたる、雲の細くたなびきたる。

志貴の皇子の句には、

石ばしる、
垂水の上の早蕨(さわらび)の
萌え出づる春に、なりにけるかも。

大伴家持の句、

うらうらに
照れる春日に
雲雀あがり、
こころ悲しも
独りしおもへば。

古代から、日本には、
自然の中で、四季おりおりのものと
調和して生活していた豊かな文化があったことを
この年になって気づかされています。

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