八月の茶器は、紅溜塗(べにためぬり)の「萩に雁」の八角茶器です。
旧暦八月は、葉月(はづき)萩月(はぎづき)雁来月(かりくるづき)、紅染月(べにぞめづき)とも言われています。
新暦では、ほぼ九月上旬から十月上旬までを指します。
八月の茶器の甲には大きく羽根をひろげた二羽の雁が羽ばたいています。
正面は秋の野の代表的な花である萩が描かれています。
芒(すすき)の穂も朱く染まっています。
八月五日に、紅く染まった夕暮れを見ました。
紅溜塗の八角茶器に現された紅染月の「萩に雁」が、夕暮れ空と重なって見えました。
猛暑続きだった今年は、池の畔のススキも早くからそよいでいました。
美しい幻想的な夕暮れを観ながら、
「この瞬間を子ども達にも是非見て欲しい。」
と思い、写真に納めました。