香を焚いて雨を聴く

思い出のお軸と香炉があります。

今、床の間に飾ってあるお軸は、

焚香聴雨

です。

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市内に松屋デパートがあった頃、
北京大学の満暮(まんぼ)氏に頼んで書いて頂いたものです。

室内で過ごすことの多い梅雨は、
「香を焚いて雨を聴く」のにふさわしい季節です。

お軸と一緒に床の間に飾ってあるのは白磁の香炉です。

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亡き祖母青木コハキは香が好きでした。
慈愛深く、スケールの大きい明治生まれの祖母でした。
九十六歳迄久福木で一人で留守番をしながら、私を励ましてくれました。

病床でも気丈に独りで久福木の家を守っていましたので、
毎日、勤めから帰ると、その日によって白檀や沈香、伽羅を焚いて、
私も一緒に一日の疲れを癒していました。

心の徳を遺した女性でした。
祖母との良き思い出を生かしながら田舎暮らしをしています。

雨の日の蹲

雨の日の蹲