水無月の玄関床

六月の玄関床を設えました。

お軸は鳥声砕(ちょうせいくだく)。
京都建仁寺派管長、小堀泰巌老師の筆です。

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大意は、

涼しい風が賑やかな小鳥達の声を運んでくる。
生き生きとした命の歓び告げる妙境。

一双の額皿は竹と雀(唐津焼)です。

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今は亡き夫が、唐津へ単身赴任した際に、親しくしていただいたお茶の水窯に頼んで作ってくれました。

我が家の庭先の借景は竹林です。
私が陶芸品が好きだったので、作ってくれました。

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額皿の絵は雀ですが、今は時鳥の鳴き声が聞こえます。

梅雨期に入りました。
皆様、どうぞご自愛ください。

亡き夫が愛用した絵唐津

亡き夫はNTT勤務で、最後の勤務先は唐津でした。
赴任先の官舎は一軒家でしたから、管理も大変でしたが、
私は保育園勤めを続けながら、年老いた病床の祖母を久福木にて見守り、
夫の赴任先の唐津に行っては、寸暇を惜んで好きな事を楽しみました。

連休には朝からすべき事は早く起きて進め、
昼間は窯元巡りをしました。

最後は太郎ヱ門さんの所で、
唐津焼の特徴を頭に入れて、愉しみました。

ウィンドウの中の梅花皮茶腕に魅せられ、
一日中動かない私を見兼ねた夫が、

欲しいならば、買ってやる。

と言いましたが、

頭の中に姿が焼き付いているので要りません。

と言いました。

今日まで、自分で求めた茶道具は、それほど多くありません。
昔からの我が家のものを大切にしてきましたし、
ご縁ある方からの頂きものの価値を想い出と共に大切にしています。

写真の絵唐津は、亡き夫が愛用していたものです。

唐津焼の三大窯の一つと言われたお茶の水窯
妙見屋そうえん作。

亡き夫はお茶の水窯元さんとも親しくしていただいて、
窯の火入れ式から望み窯焚きした事もありました。

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我が家の道具には想い出の作品が多く、管理も私の勤めと思っています。