能楽十二曲の八月、松風の茶碗

八月の松風茶碗でお茶一服。

私の茶道入門は昭和四十六年です。
師匠は祖母の県立柳川高女後輩の園田りう先生でした。

祖母と園田先生は姉妹以上の中でした。
その関係で、「園田先生を支えるように。」と、
いつも祖母に云われていました。

お弟子さんは沢山いらっしゃたのですが、
一人暮らしの先生は、私の息子を孫のように可愛がってくださって、
炉檀の歪や炭壺のひびの修理は小学四年生の息子の役目でした。

祖母からも可愛がられた息子は、
父親譲りの器用さ、で手伝いも上手でしたので、
社中の皆さんに可愛いがられました。

花月の札の裏からも印を読みとり、
自分の点前を外すことも知り、
みんなを笑わせていました。

家族でのお付き合いをいたしておりましたので、
この能楽十二曲の茶碗もお世話頂いた所以です。

八月の茶碗松風は、
能楽、浄瑠璃、歌舞伎などに登場する汐汲女の姉妹、
松風と村雨を主人公とする作品で、
須磨に流された在原行平に愛された女性です。

中納言行平に寵愛された二人の女性、松風と村雨の物語。
諸国一見の僧が須磨の浦で由ありげな松を見て、
それが松風、村雨の跡と聞いて弔ううちに秋の日も暮れた。
僧の夢が覚めて残るのは、ただ松風ばかりであつた。

さし来る汐を汲み分けて

見れば月こそ桶にあれ。

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