百人一首と茶道具

村雨の
露もまだ干ぬ
真木の葉に
霧たちのぼる
秋の夕暮ーーー寂蓮法師。

中興名物、村雨のお茶入れです。
我が家には、お稽古用の写しがあります。

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小堀遠州による銘で、
遠州が寂蓮法師の歌意に因んで、
名付けたものと言われています。

茶入れの景色とも云える正面の窯変の部分を、
霧たちのぼる秋と見たのであろうと伝えられています。

茶入れを包んだ仕覆は遠州緞子とあり、
歴史の重みを感じ取りながら、
百人一首を学ぶ晩秋です。

伝来(本物)は、
小堀遠州ー加賀爪甲斐守ー土屋相模守ー
松平直亮ー根津嘉一郎ー根津美術館に
保管してあります。

長い間、人との関わり深い歴史の中で
伝承された茶道具、村雨です。

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