六月の薄茶器

六月の薄茶器は撫子(なでしこ)に鵜飼(うかい)の絵です。
塗りは摺(すり)漆塗。
形は金輪寺(きんりんじ)です。

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旧暦六月は「水無月」とも呼ばれ、夏の終りとも言われています。
鵜飼は華やかで、また、ものさびしい夏の風物詩でもあります。
塗の金輪寺の甲の中央に篝火が灯され、左手に芦の中から鵜舟が金蒔絵で描かれています。
右手には、やがて秋の訪れをつげる撫子がひっそり咲いています。
篝火(かがりび)に照らされた川面は溜色(ためいろ)に輝き、二羽の鵜が
黒漆で浮いています。

金輪寺(きんりんじ)は小形の経筒として作られたもので、後に茶器に転用されたと言われています。

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