明治生まれの母の教えは、古き良き時代の思い出です。
幼少時代には、母から、格言や、諺、論語等で諭されました。
論より証拠。
義を見て為さざるは、言うなきなり。
人の振り見て、我が振り直せ。
その時ときに合った言葉で躾られました。
家の中で大声をだせば、
大人し、音無し(おとなし)。
と一声、二声かけられて、後は無言。
小さい声でしたが、幼い心に響きました。
襖や戸の開閉も「音無し(おとなし)、大人し。」で、玄関先での足音も静かでした。
但し、朝の挨拶から始まる大切な挨拶の言葉は、
「ハッキリと伝えるように。」
と躾られました。
雨の日の歩き方も
「踵(かかと)から歩きなさい。」
と嗜められ、
「履物はキチンと揃えて上がりなさい」と言われました。
我が家は今でもゼンマイ仕掛けの振り子時計です。
「チクタク」という音に気付かれた来客が、驚かれます。
時代錯誤かも知れませんが、私は古い人間です。
我が家の振り子時計よりも、年上です。
言うは易く行うは難し。
70を過ぎても本当にその通りだと思います。