四月のお茶碗は熊野です。
「熊野」という能仕舞をテーマにした茶椀です。
立ち出て
峰の雲、
花やあらぬ
初桜の
祇園林、
下河原の絵
平宗盛に因んだ物語に歌が添えてありました。
いかにせん
都の春も
惜しけれど
馴れし東の
花や散るらん
美しい花の都を舞台に
老母の身を気遣いながら舞う
麗人の姿を憶び美しい桜咲く
東山の連峰が描かれています。
四月にはこの茶碗で一服差し上げます。
お菓子は頂き物で、
京都南禅寺、菓匠、清閑院の作。
銘は「雅車」です。
ここにも日本の歴史と優雅な文化を見ることができます。