卯月の花は熊野の桜

春は桜。

以前にもご紹介した卯月のお茶盌です。

能楽十二曲の内の熊野です。

能楽十二曲の内の卯月の茶盌は熊野

今は亡き園田宗柳先生を思い出します。

良い師に恵まれ、良いお道具に恵まれました。

夏休みのお客様

猛暑続きのお盆過ぎに、嬉しい来客がありました。
小学生三人のお子さんとお母さんです。

早速、子供達に冷たい地下水で手を洗ってもらいました。
それから直ぐに、お座敷でお茶ごっこをしました。

朝の内に、お盆点ての仕度をしておきました。
山道盆に朝顔の絵が描かれた中次の棗には、抹茶をたっぷり入れておきました。
四人のお客様だったので、
お茶碗は一楽、二萩、三唐津、と八月の平茶碗「松風」です。

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鉄瓶に湯を掛けて、三人のお子さんに手解きしながら、
お茶を点ててもらいました。

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お菓子は和三盆の磯遊びと金平糖です。
金平糖は、ガラスの器に好きなように子どもさんに入れてもらいました。

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お菓子は、お取り廻しで頂いてもらいました。

素直な三人の子どもさんは興味津津。
茶筅の振り方も柔らかく、上手に出来て細い泡の薄茶が出来上がりました。

先ず、お母さんへお茶をお運びしてもらいました。
それから、交代でお抹茶を点ててもらって、運んでもらいました。
無理無く、言葉少なく、短時間で、お茶ごっこが済みました。

それから、手作りの簡単な昼食にしました。
最初に、南瓜、人参、馬鈴薯、牛乳をつかった冷たいポタージュを出しました。
次に出した鶏の手羽元の蒸し焼きが人気でした。
下拵えして玉葱をたっぷり入れて、ジュツクリ蒸し焼きにしておきました。
素麺には、いろいろな生野菜と鶏肉のトッピングをしておきました。

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お寿司ご飯をついであげようとしたら、「お腹一杯。」の声。

食後のフルーツの梨を食べた後、庭へ出た子供たちは、
とかげや蛙やかまきりに興味津津でした。

外で遊ん後も、お茶ごっこをしたがった子供達。
今度は、二服づつ自分で点ててもらいました。
御自服して、満足したようでした。

「一期一会」

三人の子どもさんと愉しく遊んだ夏の一日でした。

お盆に想う

庭の手入れを無事に済ませて、お盆を迎えました。
十三日は亡き夫の月命日で、お寺様がお参りに見えました。
お盆なので、白玉団子と季節の梨で一服指し上げました。

お盆には「切籠灯籠(きりことうろう)」を出して、故人を偲びます。

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この時期は、不思議と虫が近くに飛んできます。
今年は、光を求めて網戸にカブト虫が飛んできました。
一晩我が家にカブト虫君を泊めて、エサをあげてから放ちました。

土手には百合の花がお盆に相応しく清楚に咲いていました。

お盆にはユックリと戴き物の「叶匠壽庵」製の「あも」と、八月の平茶碗「松風」で一服いたしました。

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あもは、棹物の主菓子です。
中に求肥が入り小豆の旨みと調和しています。

昔、宮仕えの上級女官を女房と言って、彼女達の女らしさを現した言葉を女房言葉と言いました。

例えば、寿司は、おすもじ。
香の物は、おくうのもの。
豆腐は、おかべ。
饅頭は、おまん。
そして、
餅は、あも。

そこには、厳しい生活を優しく、柔らかく、美しく感じとろうとした女官達の、願いと知恵が伺われます。

と有りました。

故人の方々や支えて下さった方へも感謝致しました。

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