能楽十二曲の卯月は熊野

四月のお茶碗は熊野です。
「熊野」という能仕舞をテーマにした茶椀です。

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立ち出て
峰の雲、
花やあらぬ
初桜の
祇園林、
下河原の絵

平宗盛に因んだ物語に歌が添えてありました。

いかにせん
都の春も
惜しけれど
馴れし東の
花や散るらん

美しい花の都を舞台に
老母の身を気遣いながら舞う
麗人の姿を憶び美しい桜咲く
東山の連峰が描かれています。

四月にはこの茶碗で一服差し上げます。

お菓子は頂き物で、
京都南禅寺、菓匠、清閑院の作。
銘は「雅車」です。

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ここにも日本の歴史と優雅な文化を見ることができます。

 

卯月の玄関床

四月の設え、玄関床のお軸と色紙。

京都、黄檗宗(萬福寺)菅長、岡田恒令老師の書です。

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詠花吟月

大意

花を見たり、中天の月を眺めて
詩歌を口ずさみ、無心に楽しむ。
一点の計らいもなく自然と交わる境地は美しい。

色紙の「美」は、
四十五、六年前に私の子供が幼児の頃、
親子で書道の稽古に行っていた頃に、
書道家の史山先生に頂いた物です。

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子どもに遊び心で興味を持つ骸骨などを書いては
心に残る言葉を中に入れて、
印象づけて下さっていました。

寡黙な怖い印象の先生でしたが、
威厳のある大家でした。