百人一首、冬の茶碗

山部赤人、

田子の浦に

うち出でて見れば

白妙の

富士の高嶺に

雪は降りつつ

一月の来客にはこの茶碗で、お茶一服で喜ばれました。

老舗に作って貰っていた干菓子が無いのが淋しい限りです。

老舗の閉店と三代のお付き合いをした職人が亡くなったのが惜しまれます。

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十二年前の楽茶腕

平成十三年(2001年)は、辛巳(かのとみ)年でした。
つまり、十干の第八に当たる、火(か)の弟(と)で、
十二支は第六の巳(み)の年です。

その年の勅題は、「草」でした。

写真は、その時の楽茶腕です。

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京都楽焼き窯元の佐々木輝夫氏から、子ども達へ

使って下さい。

と、毎年、勿体無い程の干支茶腕や勅題茶碗を戴いていました。

その中の一つです。

戴いた茶碗も大切に使えば、
人の魂と温かさが伝わってきます。

能楽、十二の内、一月の茶わんは高砂。

一月は高砂茶腕です。

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時は春の初め。所は播州高砂の浦。

白髪の老夫婦が、松の木陰を掃き清められています。

四海波、静かにて

国も治まる時っ風

枝を鳴らさぬ御代なれや

逢いに相生の

松こそめでたかりけれ。

御代万歳、

国土安穏を祝う

老夫婦の仲睦まじく

共に長寿を保つ。

といわれ

能楽の中でも、
誠にめでたき祝言とされています。

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井伊宗観好の一月の茶器

正月は、「柳竹に鶯」という黒真塗りの大棗です。

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天から覆うよぅな薄緑の新しい芽をつけた柳の枝が
細かく、けむるよぅに垂れ下がり、
柳の根元から竹が凛として描かれています。

柳のしなやかさと、竹の取り合せは
初春の趣きを表しているとされています。

現役時代には、柳を取り寄せて床かざりをしたり致しました。

三宝に米を一升盛り三宝の四方に
海の物、山の物を置き米の上に広く長い昆布を垂らし

串に柿をふう、ふう、むつ(2、2、6)まじく刺して
手前には伊勢海老を置き、昆布の上に橙を飾り付けて、
子ども達へ茶道の世界のお正月を伝えたりもしました。

一期一会。

幼い時の思い出は、後年、役立つ事を念じて、
良いもの、本物の環境を、
私なりに創意工夫して提供していました。

これも、常に創造、創作の世界で鍛えられた
教育舞踊の恩師邦正美先生の賜と感謝しています。

松飾り

我が庵は

友の支えで

松かざり

親友のルミ子さん姉弟が
昨年末に青々とした孟宗竹を持って来てくださいました。

早速、玄関先に兄宅の庭先に咲く千両や、
買ってきた切花や松で玄関前の松飾りをしました。

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蹲の掛樋の竹も、
針金とペンチを持ち出して作ってみました。

これまでは、長年、
庭師の手に於いて整えていた蹲の掛樋も
自分で、工夫して整えました。

蹲の上に掛かる梅の蕾も沢山つき、
優しく水を流すと水音を聴き、
山鳥や、色々な鳥達が寄って来ます。

庭をゆっくり歩く山鳥に、

「鳥さん達、寒いね。」

と一声かけて遊んでいます。

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