梅雨の季節のおもてなし

庭の紫衣の雪が終わりました。
本格的な夏の訪れを感じてか、四季折々の花々も日増しに変わってきました。
今は紫陽花、下野(しもつけ)、岡虎の尾、半夏生、蛍袋、檜扇(ひおうぎ)など
身近に咲いている季節の花を活けて、お客様をお迎えしています。

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気取らないで、自然にあるものを活かすのが好きな私です。
毎朝、水切りをして、水替えをしながら、
玄関に飾っている茶花の入れ替えをするのが、
楽しみの一つです。

お客様のおもてなしも、夏らしく、爽やかな酸味の効いた、
サッパリとしたお料理になりました。

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トマト料理でおもてなし

うっとおしい日が続いていますが、
一昨日はルミ子さんが出荷後のトマト、アスパラガス、胡瓜を持って来て下さいました。

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夕方にお客様がみえる事になっていたので、
早速、戴き物やあるものを工夫してお料理しました。

塩と胡椒だけで味をつけたトマトのスープ。
トーフに三杯酢のモズクをかけたもの。
胡瓜、生姜、茗荷、葛切り、レッドタマネギ、藻の甘酢和え。

蜂蜜と醤油に漬け込んだ鶏の手羽元と。南蛮、ジヤイモ、人参、玉ねぎの蒸焼き。
麦飯にシジミ、ちりめんじゃこ、生姜の細千切りの入った炊き込み御飯。
ゴーヤの胡麻味噌煮( 砂糖、酒粕入り)。

あるもので、気負い無く、なるべく疲れ無いように工夫しながらお料理しています。

手料理に話の花が咲いて夜も遅くなりました。
お帰りになる前に、お抹茶を二服点て、心を鎮めて頂きました。
このブログに写真を載せていた鵜飼いの平茶碗を喜んで下さいました。

蒲の穂(がまのほ)

親友のルミ子さんが、田植え前に蒲の穂(がまのほ)と紫陽花を持って来て下さいました。

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久しぶりに蒲の穂を見て 、「因幡の素兎」(いなばのしろうさぎ)を思い出しました。

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田舎暮らしの今は、友人や周囲の人々から、四季折々の物を通して学ぶ機会が増えました。

子ども時代のように、心おどろかせて毎日を楽しんでいます。

70を過ぎても、ワクワクの人生です。

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写真のピンクの花は下野(しもつけ)です。
我が家のすぐ東側の土手に咲いていたので、私が自分で採って来ました。

白い花は岡虎の尾(おかとらのお)です。
親友のルミ子さんが、わざわざ持って来てくれました。

頬白(ホオジロ)の巣

長らくお留守のお隣さんから、お庭の手入れを頼まれました。
早速、知り合いの方にお願いしたら、お仲間と一緒に三人で来て下さいました。

庭の樹木の伐採は大変です。
トラックで運び出す量も半端ではありません。
お茶を出してあげると、心良く手入れをしてくださいます。
留守宅だからと手抜きをせずに、一所懸命に作業して下さるのが有難いです。

子どもの時からこの山で遊んだ仲良しだそうです。
野鳥のことも、草木のことも、良くご存知で、楽しそうに話されます。
土手のつつじの中にあった、頬白(ホオジロ)の巣を取って来て見せて下さいました。

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三時には夫が愛用していた抹茶茶碗でお茶をあげると喜ばれます。

「茶は心、日常生活に生かしてこそ、茶道。」

亡き祖母の言葉を思い出しながら、田舎暮らしを楽しんでいます。

香を焚いて雨を聴く

思い出のお軸と香炉があります。

今、床の間に飾ってあるお軸は、

焚香聴雨

です。

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市内に松屋デパートがあった頃、
北京大学の満暮(まんぼ)氏に頼んで書いて頂いたものです。

室内で過ごすことの多い梅雨は、
「香を焚いて雨を聴く」のにふさわしい季節です。

お軸と一緒に床の間に飾ってあるのは白磁の香炉です。

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亡き祖母青木コハキは香が好きでした。
慈愛深く、スケールの大きい明治生まれの祖母でした。
九十六歳迄久福木で一人で留守番をしながら、私を励ましてくれました。

病床でも気丈に独りで久福木の家を守っていましたので、
毎日、勤めから帰ると、その日によって白檀や沈香、伽羅を焚いて、
私も一緒に一日の疲れを癒していました。

心の徳を遺した女性でした。
祖母との良き思い出を生かしながら田舎暮らしをしています。

雨の日の蹲

雨の日の蹲