和敬清寂

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安土桃山時代の茶人、千利久。

和、敬、清、寂は彼が定めた四規です。

和とは、「和らぎを以って貴しとなす。」

七世紀始めに、聖徳太子が定めた十七条憲法

「和を以って貴しとなす。」から来ています。

自分を整え、全ゆる環境に調和し、
誰とでも仲良くするという教えです。

敬とは、「清らかな心で人を敬い自らを慎む。」

江戸時代の儒学者、佐藤一斎の「言志四録」から引用されています。

「以春風接人、以秋霜粛自。」は、

「春風を以て人に接し、秋霜を以て自らを慎む。」

という戒めの教えであります。

清とは、「静かな心で身を清め、然る後には環境を清浄に整えるべきなり。」

松平不昧公が定めた「茶湯心得五ケ条」の心身是清浄から引用されています。

寂とは、「体験をして自ら悟る。」

和敬清を通して自ら実踐すること。

自然を見つめ、自分自身を深くみつめ、

明日、未来に対して活力を養う。

「和、敬、清、寂」とは、

和して流れず、

敬してへつらわず、

清くしていさぎよく、

寂にしてやかましゆうせざれ。

と言うことです。

写真のお軸は、
昭和六十三年に、中国北京大学の満暮氏に特別に頼んで書いていただいた書を、
お軸にしたものです。

この他にも、茶禅一味、 焚香聴雨の軸は、
一期一会の思い出となっています。

これらの軸を掛けて、四季折々に茶道を楽しみながら

「茶道は真、善、美」の追求。」

をモットーに、精進しています。

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一日一言

六年前になりますが、
退職後、一年間取り組んだのが「一日一言」でした。

佐藤一斎「一日一言」ー言志四録ーを読む。渡邊五郎三郎、監修。

中江藤樹「一日一言」ー孝を尽くし徳を養う。中江彰、編。

二宮尊徳「一日一言」心を耕し、生を拓く。寺田一清、編。

吉田松陰「一日一言」魂を鼓舞する感奮語録。川口雅昭、編。

毎日、黒表紙のノートに四人の先人達の言葉を書きました。
それを知っていたのは当時、小学四年生の男児と、
高校生の青年の二人だけでした。

月一回会って抹茶でもてなして、楽しみました。

小学生の男の子は、私のノートを何度も見て、
欲しそうな様子でしたが、私は何も言いませんでした。

その先人達の教えを書いたノートは、最後に高校生の青年に手渡しました。

これから勉学に忙しくなるでしょう。

三冊に先人達の教えが一年間分書いてあるから、

役立つでしょう。 お使いなさい。

私にとっては退職後の、一年間の心地よい行でした。

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九月の冊子は「論語」と「俳句」

毎月、二種類の冊子を作っています。
九月の冊子ができました。

一冊は論語です。
御歳九十七歳の伊与田覺先生の「論語」の九月から、

「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず。」

の中から数章を選びました。

表題は「剛毅木訥、仁に近し。(子路第十三)」としました。

もう一冊は、早口、付け足し言葉と俳句です。
先日、国立博物館で巻物を鑑賞した、俳人であり、絵師でもあった
与謝蕪村の俳句の春、夏、秋、冬の八句を入れました。

冊子を作った後で、間違いに気がつきました。

「論語」の中の、

剛毅木訥の剛毅の毅(き)の字が誤っていました。

スミマセン。

「論語読みの論語知らず。」は、こんなところに表れますね。

「論語」は、二年前に、
伊与田覺先生の直弟子だった伊勢の中山靖雄先生へ
毎月、読みあげてCD作製して送りましたものです。

ももちゃんの「子日わくがいい。」という言葉に啓発されて、
論語も二回目の学びですが、中々上手くいきません。

早口言葉や付け足し言葉は、発声や発音の練習に良く、
小さい時から馴染んでおくと役に立ちます。

何事も楽しんで繰り返して行くうちに、
面白くなり、要領が分かり楽しめます。

皆さんと一緒に愉しんでくださいませ。

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梅ヶ枝餅の思い出

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福岡教員養成時代から特別に指導を受けていた
故加納富美子先生のお宅にはよく伺いました。

帰りは何時も家族の土産は梅ヶ枝餅でした。

保育園の子供達の乗り物遠足では、
年長児が太宰府天満宮、観世音寺、大宰府政庁跡を
訪れた後に、天満宮の梅林の近くにある中神茶屋で
梅ケ枝餅をいただきました。
お土産も梅ケ枝餅でした。

今回、久しぶりに娘と大宰府を訪れ、
ゆっくり味わったのも梅ケ枝餅でした。

梅ヶ枝餅には長年の歴史と思い出があり、
懐かしさを感じます。

来年は二十年に一度の式年遷宮

来年は二十年に一度の式年遷宮祭の年です。

その準備に当たり、
今年は祭主代理となられました黒田清子様(天皇陛下の御嬢さま)が
伊勢神宮を参拝なさいました。

その時の清子様のお写真と、
天皇皇后陛下のお写真が届きました。

写真を拝見して、直ぐに聖徳太子の

「和を以て貴しとなす。」

という言葉が思い浮かびました。

日本国の象徴である天皇家の風格、品性、品格の美しい姿は
一朝、一夕には出来ないものです。

天皇家に代々継承された、
その風格に感じ入りながら、しばし見とれてしまいました。

日本は静の文化をもった、品性、品格を重んじる民族ですよ。

と力説された、故大場善一先生の声が心に響いてきました。

毎年、年末には、
神宮干支守を中山靖雄先生から送っていただいています。

平成二十四年壬辰歳「みずのえたつとし」の一刀彫は
神宮林の楠材を用いて謹刻されたもので、
皆様の平安と御多幸をお祈りしたお守りです。

見えないところで見守られている私たちなのですね。

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