井伊宗観好の一月の茶器

正月は、「柳竹に鶯」という黒真塗りの大棗です。

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天から覆うよぅな薄緑の新しい芽をつけた柳の枝が
細かく、けむるよぅに垂れ下がり、
柳の根元から竹が凛として描かれています。

柳のしなやかさと、竹の取り合せは
初春の趣きを表しているとされています。

現役時代には、柳を取り寄せて床かざりをしたり致しました。

三宝に米を一升盛り三宝の四方に
海の物、山の物を置き米の上に広く長い昆布を垂らし

串に柿をふう、ふう、むつ(2、2、6)まじく刺して
手前には伊勢海老を置き、昆布の上に橙を飾り付けて、
子ども達へ茶道の世界のお正月を伝えたりもしました。

一期一会。

幼い時の思い出は、後年、役立つ事を念じて、
良いもの、本物の環境を、
私なりに創意工夫して提供していました。

これも、常に創造、創作の世界で鍛えられた
教育舞踊の恩師邦正美先生の賜と感謝しています。