能楽十二曲の九月は菊慈童の茶碗

九月九日は重陽の節句。

菊節句とも言われ、
日本では奈良時代より、宮中で観菊の宴が催されました。

写真は、九月の能楽十二曲の内、「菊慈童」という茶碗です。

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レッケン山の麓から薬水が流れでると言うので、
その源を調べる勅命を受けた魏の文帝の臣下が山に着くと、
庵の中より居様の童子が現れ出て、周のボク王に使はれた慈童だと言う。

七百年もの昔の者がどうして生きているか。

と怪しむと、二句の偈を書いた枕を示し、

これはボク王より賜ったのであるが、
この偈を菊の花に書いて置くと、
その花に露が置き流れて不老不死の霊薬となる。

と語る。

やがて童子は楽を奏し、
菊水の流れを汲んで勧め、
己も飲む内に酔うて菊の花を枕に臥したが、
七百歳の寿命を君に獻げ菊花をかき分けて仙家に帰る。

「菊慈童」は、菊花のめでたきを祝う能楽です。
能仕舞をする友人がありますので、物語を学びました。