爽やかな涼風とつくつく法師の音を聞きながら、
部屋の設えを楽しんでいます。
写真の薩摩焼、秋草模様の大花瓶は、
今は亡き、祖母の親友の親子の方々が祖母の長寿を祝い、
昭和五十六年に下さったお品です。
文禄の役で、島津義弘氏が日本ヘ連れ帰った、
朝鮮の陶工によって創始されたと言う、薩摩焼。
記念にいただいた秋草模様の大花瓶には、
歴史の重みと人の心が込められていて、
何時見ても魅了されます。
香合は茶道の故園田りゅう先生と、
一緒に飛騨高山へ旅をした時に求めた、
一位一刀彫りのもみじ香合です。
古帛紗は息子一家が鹿児島ヘ旅した時に、
嫁の智佳子さんからお土産にもらったものです。
鹿児島の尚古集成館のコレクションで、
「桜立涌紋(さくらたてわきもん)」です。
島津家に伝わる犬追物(いぬおうもの)で、
装束の犬射籠手(いぬいこて)に使用されている文様です。
その装束は二十九代島津忠義が、
明治天皇の御前で犬追う物を行った時に着用したと
いわれるものです。
いずれも日本の歴史と優雅な文化を感じるお品ばかりです。