六月最後の土曜日は、梅雨明けを感じさせる一日でした。
朝の仕事を済ませ、縁側でお茶一服しました。
吉藏さんの手造り菓子には、
自然を熟知した感性の柔らかい人柄を感じます。
夏茶碗は京都楽焼窯元松楽さんの黒馬盥茶碗です。
娘が2002年に韓国から求めてきた茶碗(東谷、金正黙)は、
白象嵌陽刻透かし彫り蓮の花です。
夏の茶碗も、夫々の人柄と芸術性を十分に堪能しながら、
四季折々の自然と静の文化の中で生活出来る幸せに感謝して、
六月最後の週末は、お抹茶一服の時間を愉しみました。
長らくお留守のお隣さんから、お庭の手入れを頼まれました。
早速、知り合いの方にお願いしたら、お仲間と一緒に三人で来て下さいました。
庭の樹木の伐採は大変です。
トラックで運び出す量も半端ではありません。
お茶を出してあげると、心良く手入れをしてくださいます。
留守宅だからと手抜きをせずに、一所懸命に作業して下さるのが有難いです。
子どもの時からこの山で遊んだ仲良しだそうです。
野鳥のことも、草木のことも、良くご存知で、楽しそうに話されます。
土手のつつじの中にあった、頬白(ホオジロ)の巣を取って来て見せて下さいました。
三時には夫が愛用していた抹茶茶碗でお茶をあげると喜ばれます。
「茶は心、日常生活に生かしてこそ、茶道。」
亡き祖母の言葉を思い出しながら、田舎暮らしを楽しんでいます。
昨日は、知り合いの方から「大牟田能」のチケットを戴き、何よりの贈物に大喜び致しました。
母の日の日曜日、「大牟田能」には娘と一緒に行きました。
葵の上を一緒に鑑賞して、良い思い出となりました。
昭和の頃、私のお茶の師匠も能仕舞をなさっていて、
熊野神社に薪能を観に出かけた記憶があります。
昭和の頃にお世話頂いた、能楽十二曲の内(五月)の茶碗は石橋です。
咲き匂う牡丹花の舞台に唐獅子が戯れ、
御代の千秋万歳を祝う目出度い舞の画です。
石橋の茶碗で帰ってからゆっくり一服しました。
写真の和菓子は息子夫婦からの贈り物です。
吉藏さんの手造りケーキは柚子の薫りがしました。
幸せな母の日でした。
何事も古の方との深い繋がりがあって、
世の中上手く廻っているように感じた母の日でした。