能楽、十二の内、一月の茶わんは高砂。

一月は高砂茶腕です。

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時は春の初め。所は播州高砂の浦。

白髪の老夫婦が、松の木陰を掃き清められています。

四海波、静かにて

国も治まる時っ風

枝を鳴らさぬ御代なれや

逢いに相生の

松こそめでたかりけれ。

御代万歳、

国土安穏を祝う

老夫婦の仲睦まじく

共に長寿を保つ。

といわれ

能楽の中でも、
誠にめでたき祝言とされています。

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井伊宗観好の一月の茶器

正月は、「柳竹に鶯」という黒真塗りの大棗です。

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天から覆うよぅな薄緑の新しい芽をつけた柳の枝が
細かく、けむるよぅに垂れ下がり、
柳の根元から竹が凛として描かれています。

柳のしなやかさと、竹の取り合せは
初春の趣きを表しているとされています。

現役時代には、柳を取り寄せて床かざりをしたり致しました。

三宝に米を一升盛り三宝の四方に
海の物、山の物を置き米の上に広く長い昆布を垂らし

串に柿をふう、ふう、むつ(2、2、6)まじく刺して
手前には伊勢海老を置き、昆布の上に橙を飾り付けて、
子ども達へ茶道の世界のお正月を伝えたりもしました。

一期一会。

幼い時の思い出は、後年、役立つ事を念じて、
良いもの、本物の環境を、
私なりに創意工夫して提供していました。

これも、常に創造、創作の世界で鍛えられた
教育舞踊の恩師邦正美先生の賜と感謝しています。

松飾り

我が庵は

友の支えで

松かざり

親友のルミ子さん姉弟が
昨年末に青々とした孟宗竹を持って来てくださいました。

早速、玄関先に兄宅の庭先に咲く千両や、
買ってきた切花や松で玄関前の松飾りをしました。

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蹲の掛樋の竹も、
針金とペンチを持ち出して作ってみました。

これまでは、長年、
庭師の手に於いて整えていた蹲の掛樋も
自分で、工夫して整えました。

蹲の上に掛かる梅の蕾も沢山つき、
優しく水を流すと水音を聴き、
山鳥や、色々な鳥達が寄って来ます。

庭をゆっくり歩く山鳥に、

「鳥さん達、寒いね。」

と一声かけて遊んでいます。

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平成二十五年の御題は立。

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立處皆真。りっしょみなしん。

随処作主。ずいしょさくしゅ。

京都東福寺派管長、遠藤楚石老師の書。

立は、平成二十五年の御題です。

大意は下記の通りです。

自らの主体性を生かす様に心がければ、
どんな変化にも存在感を示し、振り回される事はない。

今年も心新たに遠藤老師の思いを汲み取り、
立處皆真、隋処作主に精進したいと思います。

平成二十五年、癸巳歳、御題は立。

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今年は伊勢神宮では、
二十年に一度の式年遷宮の年に当たります。

今年も昨年末に前、伊勢道道長の中山靖雄先生から、
楠の香りも清々しい干支守り、巳の一刀彫と御守りを
戴きました。

この一刀彫りは、その年の干支に因み、
神宮林の楠材を用いて謹刻致しました。

皆様の一層の平安と御多幸をお祈りした、
お守りと共にお領ちするものです。

天然木の持ったあたたかさや木目の面白さも
お楽しみ下さい。

とされていました。

中山靖雄先生御夫妻のお心を有難くいただき、
今年も平安と多幸を念じお受けいたしました。

皆様と共に分かち合いたいと思い披露致しました。

本年も、宜しくお願い致します。

久福木庵の浦にて
武田シズカ