茶禅一味の敬老の日

今日は敬老の日です。
九州には上陸しませんでしたが、台風18号の影響で風の強い祝日です。

つい一週間前は、東京五輪開催決定で日本中が祝賀ムードでした。
今週は台風18号の影響で、京都で26万人に避難指示が出ています。
天上天下とも猫の目のように変わる日本の秋です。

九月はお祝い続きです。
重陽(菊節句)、敬老の日、秋のお彼岸と続きます。
台風のシーズンでもありますから、早目にお祝い事を済ませました。

高齢化が進んでいますし、大きな災害も増えました。
お互い元氣な内に、前倒しでお祝いしています。

今月は早目に、九十四歳の伯母上を見舞い方、伺いました。
栗のたっぷり入った風雅な秋味の棹物を娘が準備致しました。
石川県小松市松葉屋の「月よみ山路」です。

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それに栗おこわ、おはぎ、ちりめんじゃこを添えました。
何れも叔母上のお好きな物でした。

私の祖母を九十六歳の最後迄大切にして頂きましたので、ご恩返しです。
伯母上は何時も寛大で慈愛深く、その変らぬ美しい生き方が祖母と重なります。
やがて七十六歳を迎える私は、九十四歳で何時も矍鑠(かくしゃく)とした叔母上の姿から学んでいます。

我が家の床の間のお軸は、「茶禅一味」です。

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将軍義政から「茶の心とは何か」と問われた珠光は、

「茶とは遊に非ず、芸に非ず、ただ禅悦の境地にあり」

と答えたといいます。

「茶禅一味」は茶をたしなむ者の心の有り様に重きを置いた言葉です。
珠光の茶の湯では、「質素な茶室ではすべて平等で、身分や主従はなく、ただ亭主のもてなしの気持ちが大切。」とされました。

「仏は心の中にある」と説いた一休の思想を受けた茶道です。

「月よみ山路」には良寛の歌が添えられています。

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月よみの
光を持ちて
帰りませ

山路は
栗の
いがの多きに

悲喜こもごもの敬老の日、娘と一緒に一服しました。

皆様も、どうぞご自愛ください。

春満開

春満開。

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漸く、鶯の綺麗な声を聴く事が出来てホッとしています。

この春、新入学の子どもさんから、
旬のお菓子を頂きました。

早速、お盆点で一緒にお点前をして、
皆んなで一服しました。

今を喜び、楽しんでいます。
日本の自然に感謝しています。

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陽春の彩りは源吉兆庵の春菜花

弥生三月。
日差しも明るくなったので、
今日は縁側で一服しました。

主菓子は宗家「源吉兆庵」の春菜花。
先月、九十三歳の伯母上から頂いた
真心のこもったお菓子 です。

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菜の花色の源吉兆庵の包みには、
こんな言葉が添えられていました。

暖かい光が心地よく、
穏やかな風がそっと頬を撫でる、うららかな春。

ひらひらと舞う蝶を追いかければ、
辺り一面を彩る菜の花畑。

春のひとときをイメージし、
柔らかい求肥で、上品な甘さの黄味あんを包み、
二色のカステラそぼろをまぶした
ふんわりと優しい甘さのお菓子をおつくりしました。

日本の優雅な文化を想います。
老舗の心意気が伝わってくる銘菓でした。

三月の茶碗は能楽十二曲から「西王母」です。

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百人一首の朗読を指導してくださる先生は
茶道もなさるので、春菜花を一竿お福分けしました。

やはり茶道をなさるお嬢様様がお喜びになったようで、
先生からのお礼状は陽春を思わせる綺麗な絵葉書でした。