手作り和紙人形は昭和の思い出

今我が家の玄関床に鎮座しているのは、私が昭和53年に作った
「つぶし島田」と「大正ロマン」という和紙人形です。

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その頃は、最も興味有るものは寸暇を惜んで色々と作りました。
面白くなるまで、又、自分に納得行く迄、手作りを楽しみました。
保育の現場で子供達と楽しく遊んだ時でもありました。

和紙人形を見ると、亡くなった祖母を思い出します。

昭和52年12月、
明治生まれの祖母、青木コハキの誕生祝いに
「明治風俗」と言う和紙人形を手作りして贈りました。

大変喜んでくれたので、こちらも嬉しくなって、
続けて、お雛様や幾つかの作品を作りました。

人様にも差し上げたので、
久福木に残っているのは玄関に飾ってある2体だけです。

三池姉様人形

三池姉様人形

伽羅香、沈香、白壇香

伽羅、沈香、白檀。
亡き祖母も香の薫りが好きでした。

五月に咲く牡丹の花を愛でる祖母の為に、
何時も床の間や、祖母の部屋や玄関に香を焚いていました。

金木犀の香りが漂う季節になりました。
お隣の金木犀の香りを爽やかな秋風が運んできます。

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秋は自然の優しさを感じる季節でもあります。

皆様も、どうぞご自愛下さい。

亡き夫が愛用した絵唐津

亡き夫はNTT勤務で、最後の勤務先は唐津でした。
赴任先の官舎は一軒家でしたから、管理も大変でしたが、
私は保育園勤めを続けながら、年老いた病床の祖母を久福木にて見守り、
夫の赴任先の唐津に行っては、寸暇を惜んで好きな事を楽しみました。

連休には朝からすべき事は早く起きて進め、
昼間は窯元巡りをしました。

最後は太郎ヱ門さんの所で、
唐津焼の特徴を頭に入れて、愉しみました。

ウィンドウの中の梅花皮茶腕に魅せられ、
一日中動かない私を見兼ねた夫が、

欲しいならば、買ってやる。

と言いましたが、

頭の中に姿が焼き付いているので要りません。

と言いました。

今日まで、自分で求めた茶道具は、それほど多くありません。
昔からの我が家のものを大切にしてきましたし、
ご縁ある方からの頂きものの価値を想い出と共に大切にしています。

写真の絵唐津は、亡き夫が愛用していたものです。

唐津焼の三大窯の一つと言われたお茶の水窯
妙見屋そうえん作。

亡き夫はお茶の水窯元さんとも親しくしていただいて、
窯の火入れ式から望み窯焚きした事もありました。

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我が家の道具には想い出の作品が多く、管理も私の勤めと思っています。

武居俊彦先生の思い出の萩のかいらぎ

一楽、二萩、三唐津と言いますが、
私の好きな萩焼の茶碗があります。

山口県出身の音楽家、武末俊彦先生は、元医師で、
長年、全音で子供達の音楽指導をなさっていました。

武居先生とは、私が先生が教鞭をとられていた福岡教員養成所の
卒業生でありました関係で、保育園へ職員や、児童へ
二十年以上、毎月、音楽の指導に講師として来て頂きました。

武居先生は、多芸多才な方で、
ご自宅に窯を持ち、萩焼を趣味となさっていました。

昭和五十五年からは、
保育園でお茶ごっこを本格的にしていましたので、
先生の手捻りの作品を戴く事も多く、
手元には先生の思い出の作品が遺っています。

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左の作品は先生の手捻りです。
右の白いかいらぎは、
唐津焼の梅花皮(かいらぎ)茶腕に魅せられた私の話を聴いて、
先生がわざわざ作ってくださった思い出の一品です。