3月の玄関床の設えは香炉です。
お軸は臨済正宗、京都妙心寺派管長の
河野太通老師(玄窟太通)氏の微風吹幽松。
微風、幽松に吹く。
大意
煩悩や執着を消し去って吹く風が
松林を吹き抜けて、今、感慨は新たな。
(寒山詩)
今年はお軸のカレンダーを掛けていますが、3月は
東日本大震災(平成23年三月十一日)岩手県陸前高田市、
市の森林を襲った大津波に一本だけ流されずに
屹立(きつりつ)していた松の命を悼む。
という老師の言葉が記されていました。
お香は銘香「久の松」を焚いています。
香の由来は、
平安時代の後期の歌人、西行法師です。
四国八十八箇所の巡礼をなさった方からの戴き物でした。
玉泉院(西行庵)でお求めになったそうです。
澄んだ心に沁み透る上品な天然の白檀香を
天に召された方々を弔って毎日焚いています。