百人一首と茶道

秋の茶道具にも百人一首があります。

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嵐吹く
三室の山の
もみじ葉は
龍田の川の
錦なりけり。

ー能因法師ーのういんほうしー

蒔絵の薄茶器の名前は「鳴子」、峯清作の金輪寺形です。
後醍醐天皇が、吉野の金輪寺(金峯山寺)で、
衆客に茶を賜った時に使われたのが由来とされているようです。

茶道の中にも日本の歴史と文化を感じます。
日本の良さを継承したいと思う秋です。

十月の冊子は三冊です。

先月は、10月の為に3冊の冊子をつくりました。

"2012年10月の冊子"

一冊は論語で、十月のテーマは、

われは一以って之を貫く。

2冊目は松尾芭蕉の「奥の細道」です。

3冊目は、古今和歌集と新古今和歌集、
後白河天皇の「梁塵秘抄(りょうじんひしょう)」、
そして、中江藤樹(なかえとうじゅ)の「父母の恩徳」です。

古今和歌集は、
紀貫之(きのつらゆき)、
在原業平(ありわらのなりひら)、
小野小町(おののこまち)、
僧正遍照(そうじょうへんじょう)、
藤原俊行(ふじわらのとしゆき)にしました。

新古今和歌集は、
後鳥羽院(ごとばいん)、
藤原俊成(ふじわらのとしなり)、
藤原定家(ふじわらのさだいえ)、
寂蓮法師(じゃくれんほうし)、
西行法師(さいぎょうほうし)、
藤原定家(ふじわらのさだいえ)を選びました。

一年間続けた小冊子も、十一号でおしまいです。
楽しく遊び、手作りを楽しませて頂きました。

奥の細道「矢立の句」

松尾芭蕉の俳句集「奥の細道」より、旅程と俳句

深川ーー行く春や、鳥啼き魚の、目は涙。

日光ーーあら尊、青葉若葉の、日の光。

白河ーー卯の花を、かざしに関の、晴着かな。

松島ーー松島や、鶴に身をかれ、ほととぎ。

中尊寺ーー夏草や、兵ーつわものーどもが、夢の跡。

立石寺ーりゅうしゃくじー閑かさや、岩にしみ入る、蝉の声。

最上川ーー五月雨を、集めて早し、最上川ーもがみがわー。

越後路ーー荒海や、佐渡に横たう、天の川。

金沢ーーあかあかと、日はつれなくも、秋の風。

大垣ーー蛤ーはまぐりーの、ふたみに別れ、行く秋ぞ。

矢立とは、墨壺に筆を入れる筒の付いたものです。
主に江戸時代に帯に差し込みなどして携帯し、使われてました。
最近リバイバルして、お使いになる人もあるようです。

奥の細道には、

是を矢立の始として、行く道なほすすまず。
懐中より出して、一墨、筆取り出して、便りをする。

とあります。

いかにも風流な夫の遺した矢立を見ながら、
奥の細道の句を詠んでいます。

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先人の教えに学ぶ

これまでに児童へ伝えたものを詠みあげてCDを作成しました。

その中から更に選んで、子どもに無理無く取り組めるように、
筆ペンでゆっくり、優しく、懇切丁寧にをモットーに、
書き下して小冊子にしました。

卒園生のお母さん達に送ってみましたら、返事がきました。

お子さんが、一茶百句俳句の冊子をひろげて、

「お母さん、これ全部読むから聴いていてね。
もし全部読めたなら、 学校の本読みカードに何を読んだか書いてね。」

とニコニコしながら音読したそうです。

ひらがなで丁寧に書かれていた冊子を音読した後、
お子さんがゆっくり書き写していたそうです。

解り易く書かれた「はらう、はねる、とめる」を見て、
ゆっくり丁寧に書いていたそうです。

「何をするにしても、親が口をはさまなくても
お手本となるものが身近にあれば、子どもは自然に真似をする。」
と、そのお母さんは思われたそうです。

小冊子を送った私は、「教えることは、二度学ぶこと。」と思いました。

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枕草子で心がほっこり

知り合いのお子さんに、清少納言の枕草子を
優しく音読しやすいように筆ペンで大きく書いて、
冊子にして送りました。

小学一年生の子どもさんが、音読しているのを聞いて
懐かしくなったお母さんが一緒に合わせて読んだら、
子どもさんが「どうして知っているの。」と驚いて、
直ぐに二ツコリ笑顔がかえってきたそうです。

「このようなコミュニケーションも新鮮で、心がほっこりしました。」

と返事がきました。