すべては今のためにあったこと

伊勢神宮の124回目の式年遷宮の年の二月一日に、
伊勢の中山靖雄先生から一冊の本が届きました。

修養団、元伊勢道場長だった先生の
初めての著作刊行本です。

タイトルは、すべては今のためにあったこと

帯には本文からの抜粋で、
「いいふうに、生きよう。」と書かれています。

つらかった過去も
今を喜んで生きるための
根になっているのです。

済んだことは
みんないいこと
これから起きることも
みんないいこと

そんなふうに思えたら
今の人生をすべてこのままで
やらせてもらうというだけになります
そうしたら、いいご縁がどんどん
湧いてくるのです。

天がそれを起こされたのだから

「あっ、そうなんですか」

というだけのことです。
それを苦にするか、苦にしないかだけのことです。

中山靖雄先生は、
四十万人が涙した「伊勢の父」とも云われた方です。

中山先生の初の著作刊行は、
これまでに永い間「テレビ寺子屋」や、
全国を駆け巡り多くの方々へ講演された貴重な内容を
枝葉を落として、本質を残し、シンプルにまとめたものでした。

愛と汗の修養団。

お金や物では測れない、見えないものを大切にしてきた
日本人の生き方が文面から伝わってきました。

海竜社からの出版です。
皆様にも、ご紹介いたします。

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能楽十二カ月から二月の茶碗

如月の茶碗は、東北です。

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年立ちかへる春なれや

花の都に急がん

「軒端の梅」の絵です。

はなやかな梅の花の茶碗で
わが家の蹲の上に掛かる梅の花を愛で、
水の音を聴きながらお茶一服を愉しむ季節です。

今を大切に活かす事の好きな私です。

お客様には、

「この一時を大切にしてあげたい。」

と思っています。

二月の薄茶器

如月(きさらぎ)の語源は木草発月。
木や草の芽の張る月だから。

菫(すみれ)に雲雀(ひばり)の
溜塗(ためぬり)の中棗(ちゅうなつめ)です。

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春の野原や山路に、
うつむき加減に咲いている可憐な菫の花。
天から降り立った雲雀が餌をついばんでいます。

「気更に来る(陽気が更に来る)。」とも言われるように、
温かくなりゆく春の野を表しています。

清少納言の枕草子には、

春は曙、やうやう白くなり行く、山ぎは少しあかりて、
紫だちたる、雲の細くたなびきたる。

志貴の皇子の句には、

石ばしる、
垂水の上の早蕨(さわらび)の
萌え出づる春に、なりにけるかも。

大伴家持の句、

うらうらに
照れる春日に
雲雀あがり、
こころ悲しも
独りしおもへば。

古代から、日本には、
自然の中で、四季おりおりのものと
調和して生活していた豊かな文化があったことを
この年になって気づかされています。