光る地面に竹が生え、
青竹が生え、
地下には竹の根が生え、
根がしだいにほそらみ、
根の先より繊毛が生が生え、
かすかにけぶる繊毛が生え、
かすかにふるえ、
かたき地面に竹が生え、
地上にするどく竹が生え、
まっしぐらに竹が生え、
凍れる節々りんりんと、
青空のもとに竹が生え、
竹、竹、竹が生え。
就学前の児童の最後の想いでとして、
山登りをしていました。
登山の途中で竹林を観て、一人の子どもが、
「あ、竹!」と叫びました。
次の子どもが、「光る地面に竹が生え、」と連ね、
子供たちは次々と、萩原朔太郎の竹を、声を揃えて朗誦しました。
自然から学ぶ良い機会でした。
後年、良い思い出として役立つことを念じて、
朔太郎の竹を教えました。